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議論に貢献する3つの方法

世の中には議論が好きな人というのがいて、わざわざ議論をするための場に出かけていくことがあります。実は、私もそのうちの一人です。議論をするときにはいくつか心得ておくことがあります。それは、どうやって議論に「貢献」するかです。それには主に3つの方法があります。

一つは、新しい考えを提示したり、論点を付け加えたり、適切な例を挙げたりすることで議論に貢献する方法です。私はこれを「トピカ型」の貢献と呼んでいます。「トピカ」というのは、トピックのことですが、ここでは、論点を発見したり、アイディアとアイディアを結びつける技術のことだととらえてください。これと対照的な貢献の方法が、「クリティカ型」の貢献です。「クリティカ」とは、批判のことで、ここでは、人の議論を聞いて、それを分析したり、批判したりすることを示しています。

人によって得意不得意があり、議論に新しい風を吹き込むのが得意な人もいれば、人の話を聞いて、それを吟味するのが得意な人もいます。おもしろいのは、二つの能力には相対立するところがあり、たいていの人はどちらかに偏っているところです。

もう一つ重要なのが、「ファシリテーター型」の貢献です。ファシリテーターは単なる司会者ではなく、議論の参加者が議論しやすい環境を整える役割を担っています。そのためには、トピカ型の参加者が提案した論点や、クリティカ型の参加者の批判を整理し、「議論の交通整理」を行う必要があります。(ちなみに、ギルバートライルによれば、哲学者の仕事は「概念の交通整理」です)

どのような方法であれ、議論に貢献するには積極的に参加する必要があります。最後まで口を閉ざしていては貢献のしようがありません。もちろん、人の話を聞かずに、議論の場を独占してしまうのはもってのほかです。議論に貢献するには、全員がファシリテーターの素養を持っている必要があるのかもしれません。

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# by ars_philosophica | 2012-09-02 17:03 | コラム

いじめと原発—専門家の姿勢が問われる—

いじめの問題が世間を騒がせています。特に憤りを感じるのは学校の隠蔽体質です。日本の専門家の間には、問題が起きたこと自体を恥じるような傾向があります。教育の専門家である彼らにとっては、教育現場で「事が起きた」ことは受け入れられないことであり、それを隠蔽したり、取り繕ったりしようとします。

原発の安全管理もこれと似たものがあります。原発の専門家の間には、有事を想定することすらタブーという風潮があります。

確かに、いじめも原発事故も無いのが一番ですが、それと向き合い、解決することも専門家の重要な役割ではないでしょうか。いじめの問題についていえば、「いじめない子」や「いじめられない子」を育てるという「理想」を掲げるだけではなく、いじめを解決できる教育のプロを育成することが必要です。

起こり得るあらゆる問題を熟知し、それが起きないように最大限の努力を行いつつも、万が一の場合に有効な解決策を提供する。それが本来あるべき専門家の姿です。
# by ars_philosophica | 2012-08-26 12:04 | コラム

ギフトカードならカード明細もすっきり?

キンドルで電子書籍を購入する際は、通常クレジットカードで決済します。便利なのですが、気になる点もあります。電子書籍の中には非常に低価格のものがあり、引き落としが80円程度になることもあります。海外だと詐欺防止のシステムが働き、銀行から警告を受けることがあるそうです。また、プライバシーの観点から、書名をカードの利用明細に載せたくない人もいるでしょう。

そこで検討したいのが、Amazon ギフトカードを利用する方法です。Amazonギフトカード(日本のではなく米国のもの)をアカウントにチャージしておくと、クレジットカードから引き落とされるかわりに、チャージの残高から引き落とされます。ただし、日本のストアのカードは、アメリカのストアでは使えないようなので注意が必要です。利用規約など、Amazonのホームページで詳細を確認してから利用しましょう。
# by ars_philosophica | 2012-07-22 20:00 | コラム